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減塩指導のデメリット(2002.6.12)

私の父は、心筋梗塞で倒れて以来、塩分を節制し、母もともに味気ない食生活をしています。食後に血圧降下剤など6〜7種類の薬を年中服用し、そちらの方がカラダを悪くするのではないかと思います。

当然化学薬品を長年とった副作用で味覚が鈍感になり、ますますお醤油などを何にでもかけたがリます。運動しなさいと言っても、やる気が出ない。これでいいのかしらと思って、ちょっと塩分のことを調べてみました。

                

1970年代、日本では、死因の第1位が脳疾患でした。疫学調査により、食塩の摂取量が1日5gに満たない集団では高血圧の頻度が低く、25gを超えると頻度が高くなるという結果が出たため、1日に10g以下にしましようと減塩指導されるようになったのです。

とこが最近塩分と血圧には、別の関係があるというのです。

人間には、食塩を取ると血圧が上がり、減塩すると血圧が下がる人(食塩感受性)の人と、まったく塩分で血圧が影響されない(食塩非感受性)人の2タイプに別れるそうです。日本人の本態性高血圧患者では、およそ4割が食塩感受性、6割が食塩非感受性といわれています。食塩感受性が生じる原因は、まず遺伝。そして年齢、性、肥満度、腎臓病の有無、糖尿病の合併、ストレスも影響します。食塩に対する反応性は、生まれつきで変化しなわけではないので、食塩非感受性であっても、過剰に塩分をとらないようにするのは、当たり前ですが、大切なことです。

・・・ということは、減塩して効果のある人と、効果のない人がいるわけですよね。そもそも人間と海水のミネラルバランスは、ほとんど同じなんだそうです。塩分、つまりナトリウムが不足すると、やる気が亡くなり、筋力も低下します。人間にとって、生命活動を維持する上で水が必要なのと同じように塩分が必要です。(私の父の無気力なのは、塩分が足りないせいなのか・・・たんなるぐうたらなのか・・・)

              

減塩運動の影響で残念なのは、日本の伝統食であるお味噌汁やお漬物が敵対視されたことです。高血圧を心配して塩分を避けるために、お味噌汁を飲まない、お漬物を食べない人がたくさんいます。

お味噌汁は、塩を溶かしたものではありません。今のような健康情報があふれていると、みなさんも大豆加工品であり、醗酵食品であるお味噌がカラダによい成分を豊富に含んでいる事はご存じですよね。お味噌の塩分は多くても中に入れる野菜や海藻には、余分な塩分を排出するカリウムが豊富に含まれています。せっかくの味噌のパワーも、また味噌汁の中に入れた食べるであろう野菜や海藻などの具の栄養も、味噌汁をとらないことでたえることができないのです。

またお漬物をつけるぬか床には、野菜にはあまり含まれていないビタミンB1.B2が多く、野菜に栄養を補ってくれていました。また乳酸菌が含まれていて、腸内の善玉菌を増やす働きがあるのです。


確かに、なんでも過度の摂取はよくありません。ただ
健康と食べ物は量だけでなく、食べ方も大切なポイントになります。一面にだけとらわれすぎて、全体の姿を捉えていないと、誤りも大きくなります。伝統に裏づけされた食べ方は、再考の価値がありそうですね。