素食は元気でエコのもと

伝統的な食事と言っても、昔は飢饉等食べられない時代も多く、どんな時代の食事、食べ方をさしているのか、具体的に分かりにくいですよね。

見習いたいのは、だいたい1970年頃。今よりモノは豊富ではく、エネルギー消費量も少ない。けれど、家事も電化が進みつつあり、物流がよくなってきた頃です。食事は、伝統的な食事に西洋化がミックスされはじめた頃。原始時代に戻れと言われたらつらいけど、今よりちょっとモノが少ない程度なら、ちょうどエコライフにもぴったりなのではないでしょうか。

素食ってなんでしょう?

「素食」というと、中国の「ベジタリアン料理」「精進料理」という意味、またマクロビオティックもこのように表現されることがあります。その場合、肉魚を食べない「穀物菜食」ということになりますが、私の提案している「素食」は、日本の歴史の中での「素食」です。

仏教思想の元に「精進料理」が発展しましたが、一般の庶民の間では、もう少しゆるやかな意味ではないかという説もあります。『和訓栞』では、「精進とは美食をしないこと、素食の謂れ」。つまり贅沢ではないということで、贅沢な料理が肉魚を使った料理に多いため、野菜や海草などの料理が精進や素食の慎ましい食事の象徴となったとも考えられます。

飢饉や貧しい山村では、栄養バランスを考えるなど夢のまた夢ではあったでしょうが、平安時代の都の庶民の食卓では、すでに「一汁三菜」が日常の食卓にあったのではないかと考えられています。

慎ましいかもしれまないけれど、一汁三菜季節のものを取り合わせた食事を、先人は大切に知恵を働かせて食べていた。そのココロを「素食」と呼びたいと思い、使っています。

昔の人も、日々はつつましくも、時には行事色でごちそうを楽しんだり、めりはりが合ったはず。「素食」は、苦行的な食事ではなく、毎日の生活の中に美を見い出す心でありたいと思います。

参考/日本料理の歴史(吉川弘文館・熊倉功夫著)など

伝統食をお手本にした日本型食生活=素食を見直そう

●素食実践のポイント●

●身土不二=暮らしている土地の旬のものを
●一物全体=できるだけ無駄なく
●食事バランス=一汁三菜
 
*穀類を中心に野菜・海草・大豆をしっかり
 *動物性タンパク質・脂肪・糖分は控えめに

●よく噛んで腹八分目
●自分のカラダの声を聞こう

 

島国で魚介類に恵まれてきた日本人には、肉類よりも、魚介から動物性タンパク質をとろうと提案される方々がたくさんいらっしゃいます。確かに、そういう面もあると思うのですが、仏教が普及するまでは日本人も肉食していた時代もあったと思います(陶然量は多くないですけど)。また現代でも、食の安全は!00%ということはありえませんから、幅広いものを食べてリスクを分散することも大切かと思います。

また肉や甘いもの、油物を絶対食べてはいけない、と決めつけたり「こうするべき」と禁欲的なのは、食を楽しめないと思います。

伝統的な食事に加えてほどほどの欧米化した「日本型食事」(穀類を中心に様々なものを幅広く食べあわせる)ことで日本は長寿国となったのです。ところが、今は平均値で見ると、どちらかというと欧米型に偏り過ぎ。ようするに、現代人が脂肪や動物性タンパク質を過剰に摂取していることが問題なのです。

また環境への負荷や食料問題を考えると贅沢を控えることは、健康のためにも社会のためにもよいことだと思います。決して食べてはいけないのではなく、それらを少なくして野菜などと組み合わせたり、脂肪やカロリーを抑える工夫をして食べればいいじゃないかと、私は思います。贅沢するのは、たまのごちそうに。ふだんは質素に、めりはりがあるから、ごちそうの意味があるのです。

*詳しくは、日本型食生活をみてね。

自分のカラダの声を聞こう

私たち人間も、自然の一部。カラダは、自然の恵みを受けた食べ物からできています。素食を続けて感じるのは、より食べ物の作用に敏感になったことです。寒い時期にトマトやレタスを食べると寒く感じるし、これくらいのお肉食べたらもう十分、野菜はこれくらいほしいって、カラダが教えてくれるようになりました。

これはカラダにいいです、健康になります、という情報に振り回されるのではなく、今の自分に必要なのか、カラダに聞いて判断する。そういうリテラシーが、大切だと思います。

素食は、エコライフ
食べ物は、すべて生き物です。その命をいただいて、私たちは自分の命をつないでいます。また農業・漁業、加工業、様々な人の手にゆだねて、今のような便利に食べ物が手に入る社会になりました。感謝の気持ちを忘れずに、できるだけ無駄なく使い、ゴミになってしまわないようにしたいものです。

例えば牛肉は、1kgの肉を得るために、約11倍の穀類を消費し、また水やエネルギーもたくさん消費します。地球のどこかで今日食べるお米に困る人がいて、ほんの一部の人たちはお肉を食べ過ぎて病気になっている。なんて変ですよね。

素食は、お肉は絶対食べないってわけではないけれど、もう少し量を控えてもいいんじゃない?  それでも十分満足できる食事です。油脂類は控えめだから、後片付けも簡単で、洗剤の使用も少なく節水にもなります。

オールアバウト 食と健康