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命をいただくことを学ぶ(2002.9.15)

私の娘は、小学4年生。昨年から夏休みには、林間学校に行っています。7年前、阪神・淡路大震災が起きた時、両親や親戚をなくした子どもがたくさんいました。うちの娘は、一人っ子。私たち父母が死んでも、非常時にも、なんとか生きていける力を身に付けてほしいと思い、前から考えていたことでした。

この林間学校は、いつもうちに有機野菜や有機飼料で育てたお肉を届けてくれる流通グループの中で、牧場が企画実施してくださるのです。

3泊4日で、小学生の子どもたちと高校生くらいのリーダーが班ごとに生活します。朝は6時から牛の糞を掃除して、おからやとうもろこし、わらなどの餌(もちろん有機栽培で安全なもの)をやり、乳搾りをしたりします。あひるや馬のお世話もします。

搾った牛乳から、おやつにアイスクリームやフレンチトーストを作ったり。またごはん作りは、班ごとにみんなの力で作ります。まずは薪ひろいから。薪に火をつけ、飯ごうでごはんを炊き、カレーやチャーハンも作ります。

後の時間は、川で思いきり遊んだり。満点の星の下で、寝袋で寝たり。都会では味わえないことを満喫します。みんな多少のやけどや擦り傷はしても、大きなケガはしません。なぜかなーと考えるに、親がテをださない分、甘える気持ちがないので、自分の力で慎重になるからではないかと思います。また食べるために必至なので、知らないものどうしなのに、みんな助け合う気持ちがとても強まるようです。

川で遊ぶ前に、みんなでおにぎりを作り、完熟トマトをもいで出かけたそうです。めいっぱい遊んだ後のトマトとおにぎりは、「生まれてはじめて味わうおいしさで、びっくりしたー。1人でトマトを5.6個食べたよ」(娘は、トマトあますきじゃないですけど)。都会では、これでもかというほど肉や魚など、高価な御馳走が捨てられていきます。そんな豪華な御馳走ではないけれど、カラダを使った後にいただく、大地の恵みを受けたおにぎりとトマト。それは、何ごとにもか得難い豊かなご馳走だと思います。

林間学校からもどってしばらく、私が牛肉をおかずにだした時のこと。娘がお肉を見ながら、「これだけのお肉を作るのに、どれだけたいへんな仕事があることか・・・」と言ったのです。私は嬉しくて胸がいっぱいになりました。

私たちは、牛の糞の掃除や餌やりなど、いわゆるきつくて、よごれる仕事はしなし見ないで、スーパーでパックになって売っているやお肉を買っています。それは、ただの商品です。しんどい部分は、人に任せて、生きている牛の命を断って命をいただいているという実感がなければ、簡単に捨てられるようになるのでしょう。いつまでも、この実感を大切な宝物にしてほしいと思います。